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Laravelの仕様変更・互換性情報
しばらくLaravelを利用した開発プロジェクトから離れている間に、Laravelのバージョンがだいぶ上がってしまっていたので、
Laravelの復習も兼ねてバージョンアップによる変更点を調査しました。
せっかく調査したので、その内容をコンテンツにまとめてみました。
細かい変更も含めると膨大な量になってしまうので、個人の主観で主なものをピックアップしています。
対象バージョンはLaravel5.1からLaravel11.xまでです。
せっかく調査したので、その内容をコンテンツにまとめてみました。
細かい変更も含めると膨大な量になってしまうので、個人の主観で主なものをピックアップしています。
対象バージョンはLaravel5.1からLaravel11.xまでです。
※
このページのコンテンツを作成した当時の最新バージョンは8.xでした。
2023年2月にバージョン9.xの情報を追記しました。
2024年11月にバージョン10.xとバージョン11.xの情報を追記しました。
2023年2月にバージョン9.xの情報を追記しました。
2024年11月にバージョン10.xとバージョン11.xの情報を追記しました。
項目
稼働環境アプリケーション全般
ルート定義
モデル
データベース
マイグレーション
認証
バリデーション
メール送信
ページネーション
セッション
キャッシュ
エラー処理
ログ
イベント
多言語化
サービスプロバイダ
ヘルパー関数
ファイル操作
Bladeテンプレート
コレクション
ミドルウェア
稼働環境
PHP
Laravel5.3 | PHP5.6.4以上 |
Laravel5.5 | PHP7.0.0以上 |
Laravel5.6 | PHP7.1.3以上 |
Laravel6 | PHP7.2以上 |
Laravel7 | PHP7.2.5以上 |
Laravel8 | PHP7.3.0以上 |
Laravel9 | PHP8.0.2以上 |
Laravel10 | PHP8.1.0以上 |
Laravel11 | PHP8.2.0以上 |
Laravel10.0.0から、スケルトンコードの引数と戻り値にPHPの型宣言が追加された。
ただし、コントローラはさまざまなタイプのデータを返すことができるため、Laravel10.1.0において、 コントローラの戻り値の型宣言は削除された。
ただし、コントローラはさまざまなタイプのデータを返すことができるため、Laravel10.1.0において、 コントローラの戻り値の型宣言は削除された。
MySQL
Laravel6 | MySQL5.6以上 |
Laravel8 | MySQL5.7以上 |
PostgreSQL
Laravel6 | PostgreSQL9.4以上 |
Laravel8 | PostgreSQL9.6以上 |
Laravel9 | PostgreSQL10.0以上 |
Laravel10 | PostgreSQL11.0以上 |
Laravel11 | PostgreSQL10.0以上 |
※
Laravel11で対応バージョンが下がっていますが、これに関する詳細情報が見つかりませんでした。
Upgrade Guideに記載されている対応データベースバージョンの情報をそのまま記述しています。
Upgrade Guideに記載されている対応データベースバージョンの情報をそのまま記述しています。
アプリケーション全般
Laravel11で、ディレクトリ構造が大幅に刷新され、構成がシンプルになった。
(主な変更点は、それぞれの項目に記述している)
(主な変更点は、それぞれの項目に記述している)
初期起動処理
Laravel11において、アプリケーションのルーティング、ミドルウェア、例外処理などを「bootstrap/app.php」ファイルでカスタマイズできるようになった。
これらの設定は、以前は各所に散らばっていたが、このファイルに統合された。
これらの設定は、以前は各所に散らばっていたが、このファイルに統合された。
config
Laravel11で、「config」ディレクトリの設定ファイルがデフォルト設定としてフレームワーク内に移動し、
一部のファイルがアプリケーションの「config」ディレクトリにも残る構成となった。
その結果、デフォルト生成されるアプリケーションのconfig設定ファイルは15個から10個に減った。
アプリケーションのconfig設定ファイルを追加するには、Artisanコマンドを使用する。
その結果、デフォルト生成されるアプリケーションのconfig設定ファイルは15個から10個に減った。
アプリケーションのconfig設定ファイルを追加するには、Artisanコマンドを使用する。
$
php artisan config:publish$
php artisan config:publish --allルート定義
設定ファイル
Laravel5.3から新しいトップレベルディレクトリ「routes」が導入され、
ここに「web.php」や「api.php」などの複数の設定ファイルを配置する方式に変更された。
これより前のバージョンでは「app/Http/routes.php」を設定ファイルとしていた。
これより前のバージョンでは「app/Http/routes.php」を設定ファイルとしていた。
Laravel11から、不要となるケースも多い設定ファイルがデフォルトでは生成されなくなり、「web.php」と「console.php」の2つだけになった。
デフォルトで生成されなくなった生成ファイルは、Artisanコマンドで生成できる。
デフォルトで生成されなくなった生成ファイルは、Artisanコマンドで生成できる。
$
php artisan install:api$
php artisan install:broadcasting
コントローラ
「Route::controller」で設定する暗黙のコントローラルート定義は、Laravel5.2で非推奨となり、Laravel5.3で削除された。
Laravel8からコントローラの指定方法が変更された。
コントローラに自動的に付加されるプレフィックスがnullに変更されたため、コントローラを文字列ではなくクラスで指定するようになった。(コントローラクラスとメソッド名の文字列を配列で指定する)
これより前のバージョンでは、コントローラ名とメソッド名を「@」記号でつないだ文字列で指定していた。
コントローラに自動的に付加されるプレフィックスがnullに変更されたため、コントローラを文字列ではなくクラスで指定するようになった。(コントローラクラスとメソッド名の文字列を配列で指定する)
Route::get('/users', [UserController::class, 'index']);
Route::get('/users', 'UserController@index');
Laravel9で、ルート定義を共通のコントローラでグループ化して定義する機能が追加された。
Route::controller(OrderController::class)->group(function () {
Route::get('/orders/{id}', 'show');
Route::post('/orders', 'store');
});
コントローラクラス
Laravel11で、アプリケーションのベースコントローラが簡素化されて、単純な抽象クラスになった。
以前はフレームワークのBaseControllerクラスを基底クラスとし、AuthorizesRequestsトレイトとValidatesRequestsトレイトを使用していた。
必要であれば、個々のコントローラクラスにトレイトを含めるようにする。
以前はフレームワークのBaseControllerクラスを基底クラスとし、AuthorizesRequestsトレイトとValidatesRequestsトレイトを使用していた。
必要であれば、個々のコントローラクラスにトレイトを含めるようにする。
モデル
ディレクトリ
Laravel8からモデルクラスのデフォルトの配置ディレクトリが「app/Models」に変更された。
namespaceは「App\Models」となる。
これより前のバージョンでは、「app」ディレクトリをデフォルトの配置先としていた。
namespaceは「App\Models」となる。
これより前のバージョンでは、「app」ディレクトリをデフォルトの配置先としていた。
クエリビルダ
単一のカラムの値を取得するメソッドに関して、Laravel5.2でlists()メソッドが非推奨となり、新たにpluck()メソッドが追加された。
lists()メソッドはLaravel5.3で削除された。
lists()メソッドはLaravel5.3で削除された。
データ型
日付として扱うカラムを指定する$datesプロパティはLaravel8で非推奨となった。
代わりに日付に限らず型変換全般を指定する$castsプロパティを使用する。($castsプロパティは以前のバージョンから存在している)
$datesプロパティはLaravel10で削除された。
代わりに日付に限らず型変換全般を指定する$castsプロパティを使用する。($castsプロパティは以前のバージョンから存在している)
$datesプロパティはLaravel10で削除された。
Laravel10.30.0から、doctorine/dbalパッケージを使わなくても、
Schema::getColumns()メソッドやSchema::getColumnType()メソッドを使用して、
実際のデータベースのカラムの属性やデータ型を取得することができるようになった。
Laravel11から、$castsプロパティではなくcasts()メソッドで型変換を定義できるようになった。
リレーション
Laravel5.2.32で関連モデルの件数を合わせて取得するwithCount()メソッドが追加された。
件数はリレーション定義元モデルから「{リレーション名}_count」プロパティで取得できる。
件数はリレーション定義元モデルから「{リレーション名}_count」プロパティで取得できる。
$posts = Post::withCount('comments')->get();
foreach($posts as $post) {
echo $post->comments_count;
}
Laravel5.2.39で、デフォルト指定した「Eager Loading」対象リレーションの中からそのクエリにおいて対象外とするリレーションを指定するwithout()メソッドが追加された。
デフォルトの「Eager Loading」対象のリレーションは$withプロパティに指定する。($withプロパティは以前のバージョンから存在している)
デフォルトの「Eager Loading」対象のリレーションは$withプロパティに指定する。($withプロパティは以前のバージョンから存在している)
$books = Book::without('author')->get();
Laravel5.3.23で、「Eager Loading」を指定するwith()メソッドに取得対象カラムを限定する機能が追加された。
リレーション名の後ろに「:(コロン)」記号で取得対象カラムをつなげて列挙する。
取得対象カラムには主キーと該当リレーションの外部キーを含める必要がある。
リレーション名の後ろに「:(コロン)」記号で取得対象カラムをつなげて列挙する。
$books = Book::with('author:id,name,book_id')->get();
Laravel5.8で「Has One Through」のリレーションタイプが追加された。
他のモデルを経由して1対1となる関係を表すもので、hasOneThrough()メソッドで定義する。
1対1の関係となるモデル、中間のモデルの順で引数を指定する。
他のモデルを経由して1対1となる関係を表すもので、hasOneThrough()メソッドで定義する。
1対1の関係となるモデル、中間のモデルの順で引数を指定する。
Laravel8.12.0で関連モデルの各種集計値を合わせて取得するメソッドが追加された。
集計値はリレーション定義元モデルから「{リレーション名}_{集計機能名}_{カラム名}」プロパティで取得できる。
以下は、withSum()メソッドの使用例。
集計値はリレーション定義元モデルから「{リレーション名}_{集計機能名}_{カラム名}」プロパティで取得できる。
withMin() | 関連モデルの指定カラムの最小値を取得する。 |
withMax() | 関連モデルの指定カラムの最大値を取得する。 |
withAvg() | 関連モデルの指定カラムの平均値を取得する。 |
withSum() | 関連モデルの指定カラムの合計値を取得する。 |
$posts = Post::withSum('comments', 'votes')->get();
foreach($posts as $post) {
echo $post->comments_sum_votes;
}
Laravel8.40.0で、デフォルト指定した「Eager Loading」対象リレーションをそのクエリにおいて変更(全体入替)するwithOnly()メソッドが追加された。
デフォルトの「Eager Loading」対象のリレーションは$withプロパティに指定する。($withプロパティは以前のバージョンから存在している)
デフォルトの「Eager Loading」対象のリレーションは$withプロパティに指定する。($withプロパティは以前のバージョンから存在している)
$books = Book::withOnly('genre')->get();
Laravel8.42.0で「Has One Of Many」のリレーションタイプが追加された。
1対多の中の1つの関係を表すもので、hasOne()メソッドとofMany()メソッドを組み合わせて定義する。
1対多の中の1つの関係を表すもので、hasOne()メソッドとofMany()メソッドを組み合わせて定義する。
latestOfMany() |
ソート可能なモデルの主キーの最新の関連モデルを取得する。 例)$this->hasOne(Order::class)->latestOfMany(); |
oldestOfMany() |
ソート可能なモデルの主キーの最古の関連モデルを取得する。 例)$this->hasOne(Order::class)->oldestOfMany(); |
ofMany() |
任意のカラムの最大または最小の関連モデルを取得する。 例)$this->hasOne(Order::class)->ofMany('price', 'max'); |
データベース
PDO
Laravel5.4からPDOのフェッチモードがデフォルトで「PDO::FETCH_CLASS(クラスオブジェクト)」となり、「config/database.php」ファイルで設定することができなくなった。
変更したい場合は、イベントリスナーを設定するなどの対応が必要となる。
これより前のバージョンでは、「config/database.php」ファイル内で「fetch」キーで指定することが可能だった。
変更したい場合は、イベントリスナーを設定するなどの対応が必要となる。
これより前のバージョンでは、「config/database.php」ファイル内で「fetch」キーで指定することが可能だった。
PostgreSQL
Laravel9から、「config/database.php」ファイル内のPostgreSQLの接続設定の「schema」キーの名称が「search_path」に変更された。
デフォルト設定
Laravel11から、データベースのデフォルト設定が「MySQL」から「SQLite」に変更された。
マイグレーション
外部キー指定
Laravel7.0.0でIlluminate\Database\Schema\Blueprintクラスに「UNSIGNED BIGINTカラム」を作成するforeignId()メソッドが追加され、
さらにLaravel7.1.0でIlluminate\Database\Schema\ForeignIdColumnDefinitionクラスにconstrained()メソッドが追加され、外部キーの指定が簡単になった。
テーブル定義を指定するSchemaビルダのクロージャの中で、以下の2通りの記述は同じ内容となる。
テーブル定義を指定するSchemaビルダのクロージャの中で、以下の2通りの記述は同じ内容となる。
$table->unsignedBigInteger('user_id');
$table->foreign('user_id')->references('id')->on('users');
$table->foreignId('user_id')->constrained();
カラムの変更
Laravel11では、カラム定義を変更する場合、変更する属性の指定以外に、
定義済みの変更しない属性も明示的に含める必要があるようになった。
浮動小数点型カラム
Laravel11で、doubleとfloatの合計桁数と小数点以下桁数の引数指定がなくなった。
精度はprecisionオプションで指定する。
精度はprecisionオプションで指定する。
認証
ユーザ登録
Laravel5.7でユーザ登録時にメール確認する機能が追加された。
この機能を有効にするためには、UserモデルにIlluminate\Contracts\Auth\MustVerifyEmailインターフェースを実装する。
この機能を有効にするためには、UserモデルにIlluminate\Contracts\Auth\MustVerifyEmailインターフェースを実装する。
パッケージ構成
Laravel6からフロントエンドのコンポーネント類が本体から分離され、これに伴いユーザ登録時の認証処理もデフォルトでは含まれなくなった。
フロントエンドのコンポーネント類を追加するためには、「laravel/ui」パッケージをインストールする。
ビューのスカフォールド作成時に「--auth」オプションを付けると、ユーザ登録時の認証処理も追加される。
ビュータイプには、「bootstrap」「vue」「react」を指定できる。
フロントエンドのコンポーネント類を追加するためには、「laravel/ui」パッケージをインストールする。
$
composer require laravel/ui
$
php artisan ui {ビュータイプ} --auth
Laravel8からはさらに新しいパッケージが導入され、複数のスターターキットが用意されている。
Breezeをインストールして利用する場合の一連の作業は以下のようになる。
Laravel Breeze | シンプル、最小限(Jetstreamの簡易版) |
Laravel Fortify | バックエンドのみ |
Laravel Breeze | 高機能 |
$
composer require laravel/breeze --dev$
php artisan breeze:install$
npm install$
npm run dev
バリデーション
メールアドレス
Laravel5.8から新しいメールアドレスバリデーションパッケージが追加され、デフォルト設定が変更された。
メールアドレスのバリデーション設定のデフォルトが「rfc」となり、これはRFC6530に準拠しているかをチェックする。
これより前のバージョンでは、メールアドレスのバリデーション設定のデフォルトは「filter」で、これはRFC822に準拠しているかをチェックする。
メールアドレスのバリデーション設定のデフォルトが「rfc」となり、これはRFC6530に準拠しているかをチェックする。
これより前のバージョンでは、メールアドレスのバリデーション設定のデフォルトは「filter」で、これはRFC822に準拠しているかをチェックする。
配列
Laravel9で、ネストした配列データのバリデーションルールの記述を簡素化するRule::forEach()メソッドが追加された。
パスワード
Laravel9から、認証済みユーザの現在のパスワードと一致するかをチェックする「password」ルールの名前が「current_password」へ変更された。
文字列
Laravel9.40.0で、入力を小文字に制限する「lowercase」ルールと入力を大文字に制限する「uppercase」ルールが追加された。
メール送信
設定ファイル
Laravel5.3で「pretend」キーが削除された。
代わりにlogドライバを使用する。
代わりにlogドライバを使用する。
Laravel5.4からマークダウン形式のメール送信が可能になり、それに伴う設定項目として「markdown」キーが追加された。
Laravel7でメール送信の仕様が変更され、複数のドライバに対応できるようになり、設定ファイルの構成も変更された。
「driver」キーは「default」キーに変更された。
「mailers」キーが追加され、この配列に複数のドライバを登録することができるようになった。
後方互換性のためにLaravel6までの形式もサポートされている。
「driver」キーは「default」キーに変更された。
「mailers」キーが追加され、この配列に複数のドライバを登録することができるようになった。
後方互換性のためにLaravel6までの形式もサポートされている。
メールドライバ
「sparkpost」はLaravel5.2で追加されたが、Laravel6で削除された。
「array」はLaravel5.3.29で追加された。
メモリに記録する。(テスト時の利用を想定)
メモリに記録する。(テスト時の利用を想定)
「postmark」はLaravel5.8で追加された。
「mandrill」はLaravel6で削除された。
「failover」はLaravel8で追加された。
メール送信サービスの停止に備えて、バックアップ用のドライバを登録しておくことができる。
メール送信サービスの停止に備えて、バックアップ用のドライバを登録しておくことができる。
Laravel9で、メール送信に使用するライブラリがSwift Mailerから後継のSymfony Mailerに変更された。
メール送信方法
Laravel5.3で新しく導入されたIlluminate\Mail\Mailableクラスを作成する方式が利用できるようになった。
Laravel5.3.7から、Illuminate\Mail\Mailableクラスを作成してメール送信する方式において、宛先指定のto()メソッドなどをチェーンで繋げるようになった。
send()メソッドの引数にMailableクラスのインスタンスを渡す。
send()メソッドの引数にMailableクラスのインスタンスを渡す。
Mail::to($user)->send(new OrderShipped($order));
ページネーション
出力方法
Laravel5.2でlinks()メソッドが追加された。
links()メソッドは、以前のバージョンから存在しているrender()メソッドへ処理を委譲しているだけだが、render()メソッドの実装内容も変更されている。
これより前のバージョンでは、render()メソッドは文字列を生成して返す処理だったが、Illuminate\Support\HtmlStringクラスのインスタンスを生成して返す処理に変更された。
Illuminate\Support\HtmlStringクラスはIlluminate\Contracts\Support\Htmlableインターフェースを実装しているため、出力の際にe()ヘルパー関数や「{{ }}」記号による出力が可能になった。
Laravel5.1までは、以下のように記述していた。
Laravel5.2以降は、以下のように記述できる。
Laravel5.2以降で「{!! !!}」記号を使っても同じ結果となるが、Laravel5.1でrender()メソッドの出力結果を「{{ }}」記号で出力するのはNGとなる。
links()メソッドは、以前のバージョンから存在しているrender()メソッドへ処理を委譲しているだけだが、render()メソッドの実装内容も変更されている。
これより前のバージョンでは、render()メソッドは文字列を生成して返す処理だったが、Illuminate\Support\HtmlStringクラスのインスタンスを生成して返す処理に変更された。
Illuminate\Support\HtmlStringクラスはIlluminate\Contracts\Support\Htmlableインターフェースを実装しているため、出力の際にe()ヘルパー関数や「{{ }}」記号による出力が可能になった。
Laravel5.1までは、以下のように記述していた。
{!! $users->render() !!}
{{ $users->links() }}
「{{ }}」記号による出力ではXSS攻撃を防ぐためにエスケープ処理を実行するが、Illuminate\Contracts\Support\Htmlableインターフェースを実装したオブジェクトが渡された場合は、エスケープ処理せずにそのまま出力する。
(Laravel5.1から)
(Laravel5.1から)
CSS
Laravel9で、Bootstrap5を使用したページネーションビューが追加された。
App\Providers\AppServiceProviderクラスのboot()メソッドで設定する。
App\Providers\AppServiceProviderクラスのboot()メソッドで設定する。
Paginator::useBootstrapFive();
セッション
設定ファイル
Laravel5.2.36で「http_only」キーが追加された。
JavaScriptからセッションCookieにアクセスさせないかどうかを指定する。(デフォルト:不可)
JavaScriptからアクセス不可とすることにより、XSS攻撃を防ぐのに役立つ。
JavaScriptからセッションCookieにアクセスさせないかどうかを指定する。(デフォルト:不可)
JavaScriptからアクセス不可とすることにより、XSS攻撃を防ぐのに役立つ。
Laravel5.3で「store」キーが追加された。
セッションドライバにキャッシュ方式のものを使用する場合、「config/cache.php」設定ファイルの「stores」キーに設定した保存先を指定する。
セッションドライバにキャッシュ方式のものを使用する場合、「config/cache.php」設定ファイルの「stores」キーに設定した保存先を指定する。
Laravel5.5.15で「same_site」キーが追加された。
クロスサイトリクエストが発生した時のCookieの動作を設定する。
「strict」「lax」「none」「null」のいずれかを設定する。
デフォルトは「lax」で、一番厳しい設定の「strict」と従来と同じ動作となる「none」の中間レベルの設定となる。
設定によりCSRF攻撃を軽減する効果が期待できる。
クロスサイトリクエストが発生した時のCookieの動作を設定する。
「strict」「lax」「none」「null」のいずれかを設定する。
デフォルトは「lax」で、一番厳しい設定の「strict」と従来と同じ動作となる「none」の中間レベルの設定となる。
設定によりCSRF攻撃を軽減する効果が期待できる。
セッションドライバ
Laravel5.8で「dynamodb」が追加された。
セッションの操作
Laravel5.3で、キーの存在を確認するexists()メソッドが追加された。
以前のバージョンから存在しているhas()メソッドは、キーが存在していても値がnullの場合はfalseを返すが、 exists()メソッドは値がnullでもキーが存在していればtrueを返す。
以前のバージョンから存在しているhas()メソッドは、キーが存在していても値がnullの場合はfalseを返すが、 exists()メソッドは値がnullでもキーが存在していればtrueを返す。
Laravel8.37.0で、キーが存在しないことを確認するmissing()メソッドが追加された。
キーが存在しないか値がnullの場合にtrueを返す。
キーが存在しないか値がnullの場合にtrueを返す。
デフォルト設定
Laravel11から、セッションのデフォルト設定が「file」から「database」に変更された。
キャッシュ
キャッシュストア
Laravel5.2で、Windowsで動作するPHPアクセラレータの「Windows Cache Extension for PHP」を利用するWincacheのドライバーが削除され、
代わりにwmather/wincacheパッケージをインストールして利用する形式に変わった。
Laravel5.2で、PHPアクセラレータのXCacheを利用するXCacheのドライバーが削除された。
Laravel5.8で、AWSのキー/バリュー型のデータストアのDynamoDBを利用する「dynamodb」が追加された。
キャッシュ時間
Laravel5.8から、各メソッドで指定するキャッシュ時間の単位が「秒」単位になった。
これより前のバージョンでは「分」単位だった。
これより前のバージョンでは「分」単位だった。
デフォルト設定
Laravel11から、キャッシュのデフォルト設定が「file」から「database」に変更された。
エラー処理
カスタマイズ
Laravel5.5から、カスタム例外クラスを作成する場合、そのクラスにreport()メソッドとrender()メソッドを定義して、例外記録とレスポンス生成処理を実装することができるようになった。
これらのメソッドはフレームワークから自動的に呼び出される。
これらのメソッドはフレームワークから自動的に呼び出される。
Laravel8.33.0から、エラー処理をカスタマイズする場合、App\Exceptions\Handlerクラスのregister()メソッドをオーバーライドし、
例外記録とレスポンス生成の両方の処理をこのメソッド内にまとめて実装することができるようになった。
例外記録処理はreportable()メソッドを使用して定義する。
レスポンス生成処理はrenderable()メソッドを使用して定義する。
これより前のバージョンでは、それぞれApp\Exceptions\Handlerクラスのreport()メソッドとrender()メソッドをオーバーライドする方式だった。
例外記録処理はreportable()メソッドを使用して定義する。
レスポンス生成処理はrenderable()メソッドを使用して定義する。
これより前のバージョンでは、それぞれApp\Exceptions\Handlerクラスのreport()メソッドとrender()メソッドをオーバーライドする方式だった。
例外コンテキスト
デフォルトでは、(取得可能であれば)現在のユーザID情報が例外のコンテキストデータとして追加される。
Laravel5.5で、App\Exceptions\Handlerクラスにcontext()メソッドが追加され、例外のコンテキストデータに任意のデータを追加することができるようになった。
Laravel6.7.0からは、個別の例外クラスにcontext()メソッドを定義することも可能になった。
Laravel5.5で、App\Exceptions\Handlerクラスにcontext()メソッドが追加され、例外のコンテキストデータに任意のデータを追加することができるようになった。
Laravel6.7.0からは、個別の例外クラスにcontext()メソッドを定義することも可能になった。
構成
Laravel11で、「app/Exceptions」ディレクトリ、App\Exceptions\Handlerクラスが削除され、「bootstrap/app.php」ファイルでカスタマイズするようになった。
ログ
設定ファイル
Laravel5.6から新しい設定ファイル「config/logging.php」が導入された。
これより前のバージョンでは「config/app.php」設定ファイル内の「log」キーで指定していた。
これより前のバージョンでは「config/app.php」設定ファイル内の「log」キーで指定していた。
出力方式
Laravel5.6でログ出力の仕様が大きく変更され、ログ出力方式を表すチャンネルという概念が導入された。
チャンネルとして複数のログ出力方式を定義することができ、適宜チャンネルを切り替えてログ出力することができる。
複数のチャンネルを単一のチャンネルとして扱う「stack」というチャンネルを利用することもできる。(デフォルトチャンネルとして「stack」が設定されている)
チャンネルとして複数のログ出力方式を定義することができ、適宜チャンネルを切り替えてログ出力することができる。
複数のチャンネルを単一のチャンネルとして扱う「stack」というチャンネルを利用することもできる。(デフォルトチャンネルとして「stack」が設定されている)
ファサード
Laravel5.6での仕様変更に伴い、Logファサードの実体クラスがIlluminate\Log\WriterクラスからIlluminate\Log\LogManagerクラスに変更された。
イベント
イベント操作
イベントを発行するIlluminate\Events\Dispatcherクラス(Eventファサードの実体)のfire()メソッドは、Laravel5.4で非推奨となり、Laravel5.8で削除された。
代わりにdispatch()メソッドを使用する。
代わりにdispatch()メソッドを使用する。
コアイベント
Laravelが発行するいくつかのコアイベントが、Laravel5.2からLaravel5.4へかけて、文字列からイベントオブジェクトへ変更された。
以下の一覧表は変更されたコアイベントの一部を示したもの。
なお、ログ出力イベントはログ出力前に発行されていたが、Laravel7.1.0からはログ出力後にイベント発行するように変更された。
以下の一覧表は変更されたコアイベントの一部を示したもの。
イベント発行タイミング | 変更前イベント名 | 変更後クラス |
ログイン成功時 | auth.login | Illuminate\Auth\Events\Login |
データベースへのクエリ発行後 | illuminate.query | Illuminate\Database\Events\QueryExecuted |
ログ出力 | illuminate.log | Illuminate\Log\Events\MessageLogged |
多言語化
言語ファイル
Laravel5.4からJSON形式の言語ファイルも利用できるようになった。
ファイルは言語ごとのディレクトリ配下に作成するのではなく、「resources/lang」ディレクトリ直下に配置する。
ファイル名は、「{言語省略名}.json」となる。
ファイルは言語ごとのディレクトリ配下に作成するのではなく、「resources/lang」ディレクトリ直下に配置する。
ファイル名は、「{言語省略名}.json」となる。
ディレクトリ
Laravel9で、言語ファイルの配置ディレクトリが「resources/lang」から「lang」に変更された。
Laravel10から、デフォルトでは「lang」ディレクトリが作成されなくなった。
多言語化処理をカスタマイズしたい場合は、Artisanコマンドでリソースを生成する。
多言語化処理をカスタマイズしたい場合は、Artisanコマンドでリソースを生成する。
$
php artisan lang:publsh
サービスプロバイダ
サービスプロバイダの実装
Laravel5.6で$bindingsプロパティと$singletonsプロパティが追加された。
単純なバインド処理の定義をこれらのプロパティに配列で定義することができるようになった。
単純なバインド処理の定義をこれらのプロパティに配列で定義することができるようになった。
Laravel5.8で遅延ロードを設定する$deferプロパティが非推奨になった。
代わりにIlluminate\Contracts\Support\DeferrableProviderインターフェイスを実装する。
このインターフェースにはprovides()メソッドのみが定義されているが、provides()メソッドの定義自体はこれより前のバージョンと同様に実装する。
代わりにIlluminate\Contracts\Support\DeferrableProviderインターフェイスを実装する。
このインターフェースにはprovides()メソッドのみが定義されているが、provides()メソッドの定義自体はこれより前のバージョンと同様に実装する。
構成
Laravel11で、「app/Providers」ディレクトリに5つあったサービスプロバイダファイルが「AppServiceProvider.php」ファイルだけになった。
以前存在していたファイルの機能は、以下のいずれかでの対応に変更された。
以前存在していたファイルの機能は、以下のいずれかでの対応に変更された。
- bootstrap/app.php
- フレームワークが自動的に処理
- AppServiceProvider.php
ヘルパー関数
Laravel5.3でcache()ヘルパー関数が追加された。
Laravel5.4で__()ヘルパー関数が追加された。(アンダースコア記号連続2個)
追加された当初はJSON形式の言語ファイルを対象として翻訳処理を実行する関数だったが、Laravel6で翻訳機能の仕様が変更され、trans()ヘルパー関数と同じ処理を実行するようになった。
追加された当初はJSON形式の言語ファイルを対象として翻訳処理を実行する関数だったが、Laravel6で翻訳機能の仕様が変更され、trans()ヘルパー関数と同じ処理を実行するようになった。
Laravel5.5でreport()ヘルパー関数が追加された。
Laravel9でstr()ヘルパー関数が追加された。
引数に文字列を渡すと、Illuminate\Support\Stringableインスタンスを返す。(Str::of()メソッドと等価)
引数なしの場合、Illuminate\Support\Strインスタンスを返す。
引数に文字列を渡すと、Illuminate\Support\Stringableインスタンスを返す。(Str::of()メソッドと等価)
引数なしの場合、Illuminate\Support\Strインスタンスを返す。
Laravel9でto_route()ヘルパー関数が追加された。
指定した名前付きルートへのリダイレクトHTTPレスポンスを生成する。
指定した名前付きルートへのリダイレクトHTTPレスポンスを生成する。
Laravel9.42.0で、条件付きで例外をスローするreport_if()ヘルパー関数とreport_unless()ヘルパー関数が追加された。
Laravel11で、コールバックを実行し、結果をキャッシュするonce()ヘルパー関数が追加された。
同一リクエストの間、キャッシュした結果を返すが、オブジェクトインスタンス内から実行すると、キャッシュされる結果はそのオブジェクトインスタンス固有のものになる。
同一リクエストの間、キャッシュした結果を返すが、オブジェクトインスタンス内から実行すると、キャッシュされる結果はそのオブジェクトインスタンス固有のものになる。
ファイル操作
パッケージ
Laravel9で、Storageファサードの機能を担うFlysystemのバージョンが1.xから3.xへ移行された。
S3、FTP、SFTPドライバを使用する前に、Composerで適切なパッケージをインストールする必要がある。
S3、FTP、SFTPドライバを使用する前に、Composerで適切なパッケージをインストールする必要がある。
Bladeテンプレート
ディレクティブ
Laravel9で、新たなディレクティブが追加された。
これらは同名のVueイベント(v-on)の省略記法と競合する可能性があるが、@@でディレクティブをエスケープすることで衝突を回避することができる。
@checked | チェックボックスがcheckedであることを表す。 |
@selected | selectのoptionがselectedであることを表す。 |
@disabled | 要素がdisabledであることを表す。 Laravel9.0.2で追加 |
コレクション
Laravel9で、reduceWithKeys()メソッドが削除された。
同じ機能が提供されているreduce()メソッドを使う。
同じ機能が提供されているreduce()メソッドを使う。
Laravel9から、reduceMany()メソッドの名称がreduceSpread()へ変更された。(他のメソッドと名前の一貫性を保つため)
ミドルウェア
Laravel10で、App\Http\Kernelクラスの$routeMiddlewareプロパティの名称が$middlewareAliasesへ変更された。
構成
Laravel11で、「app/Http/Middleware」ディレクトリが削除され、9つあったミドルウェアクラスはフレームワーク内に移動された。
App\Http\Kernelクラスは削除され、「bootstrap/app.php」ファイルでカスタマイズするようになった。
App\Http\Kernelクラスは削除され、「bootstrap/app.php」ファイルでカスタマイズするようになった。
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